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新線探訪【流山編】

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千葉県流山市西初石

【柏編】よりつづく。つくばエクスプレス(TX)、流山市内の新駅は「流山おおたかの森」と「流山セントラルパーク」の2駅。一風変わった駅名は、当初は市民による一般公募により「流山中央」と「流山運動公園」に決定しながら、一部の市議による私案に変更されたという曰くつきの経緯によるもの。新線の名称からしてひらがな、カタカナが氾濫しているのに、利用者はおろか、沿線住民ですら止めようが無い。無力感を通り越して、脱力感すら覚える。

流山市は人口約15万人、東京通勤圏のベッドタウンを擁する典型的な「千葉都民」の街だが、常磐線の沿線から外れていることもあって、野田市同様、下総台地の豊かな緑がところどころに残されている。柏の葉キャンパス駅を離れると、TXは店舗や工場の立ち並ぶ柏の葉地区の雑踏を横切りながら、流山市境を越えて未開発の森を切り拓くように進んでいく。これまで網目のような生活道路しか存在しなかった駒木地区には、高架橋に沿って新道が設けられていた。

真新しいアスファルトの匂いを嗅ぎながらペダルを踏み進めると、古くからの住宅地や観光果樹園の裏手に、東武野田線とTX双方の新駅、「流山おおたかの森」駅が現れた。さんざ森を切り拓いておきながら欺瞞以外の何物でも無い駅名だと思うが、開発の副産物として大鷹の営巣する森が発見され、その一部が保存されることになったことも事実。開発の功罪に思いを至らせようとする狙いでもあるのだろうか。駅前はこちらも柏市の新駅同様、広大な更地が開発の着手を待っていた。

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おおたかの森駅を出ると、高架橋はその名称の由来となった市野谷の森を突っ切りながら南下し、流山総合運動公園に隣接した「流山セントラルパーク」駅に至る。流山市役所にも程近く、江戸川を見下ろす高台に位置する雰囲気の良い駅だが、普通列車しか停車しないため、日中の列車は1時間に4本。広々とした改札ホールは静まり返り、公園散歩のついでに立ち寄る休憩所と化していた。ここは最新鋭の設備を誇るローカル駅。わずか1kmほどの距離にある総武流山電鉄、流山駅と比べて見ると尚更面白い。

総武流山電鉄は、流山駅から常磐線馬橋駅までを結ぶ全長僅か6km足らずのミニ私鉄で、千葉県民でもその存在を知らない、あるいは忘れているほどの超ローカル線。かつて味醂の醸造と水運で栄えた江戸川河岸に面した旧市街地に、木造平屋建ての可愛らしい駅舎が現存している。線路は単線、車両は2両、自動改札なんてもちろん無い。昭和の鉄道遺産というべき設備は哀愁を誘うが、TX開業によって存亡の危機に陥っている。当面は補償金を受け取ることにより持ちこたえるが、市民はどちらを選ぶのだろう。

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利便性の向上を訴えた住民の要望、開発に託した自治体の願望を背負いながら開業したつくばエクスプレス。街の姿はこれからどんどん変化し続けるだろう。けれど、変わらなくていいもの、変わらないで欲しいものはしっかりと選別して残していって欲しい。ひとたび失われたものは、永久に元に戻らないのだから。猫の額ほどの旧市街地を横切りサイクリングロードに出ると、台風の影響で増水した江戸川が満々と水を湛えながら、西の空へと沈む夕陽を水面に映していた。

DATA|野田-柏-流山-野田|ポタリング|43.7km

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